ナイフやフォーク、そしてスプーンといったカトラリー類に始まり、いわゆるテーブルウェアと称されるさまざまなアイテムには、欧米の生活文化が色濃く反映されています。
それらを柔軟に受け入れながらも私たちは考え続けてきました。私たちの暮らすこの国ならではの独自の感性や伝統文化を生かして、今までにない新しいものを創造できないだろうか、と。その結果、布と金属を一体化させたり、漆を金属に施したりといった斬新な発想が生まれたのです。
手にした時、しっくりとなじむ感触。食卓にそれらがあるだけで気持ちが穏やかになる和のおもむき。異文化の産物であったテーブルウェアは、ここで斬新な発想とそれを現実のものにできる卓越した技術に出会い、まったく新しいかたちとなって実を結びました。 |